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おすすめ資料 (書籍編)

私がこれまで参考にしてきました、研究に役立つ書籍を紹介いたします (今後も徐々に増やしていく予定です)。

各書籍について、出版社や著者とは一切の利害関係がありませんので、予めご了承ください。

〇フィールド調査手法

・種生物学会編 (2000) 花生態学の最前線. 美しさの進化的背景を探る. 文一総合出版, 東京.

研究手法についての記述はありませんが、これまでの繁殖生態学や送粉生態学についての研究例が紹介されてます。やや古い本ですが、繁殖生態学や送粉生態学とはどのような研究か?、どんな研究がおこなわれてきか?を知るにはお勧めの一冊です。

・種生物学会編 (2012) 種間関係の生物学 共生・寄生・捕食の新しい姿. 文一総合出版, 東京.

生物間相互作用についての有名な研究例が紹介されています。そのほか、野生生物からのDNA抽出手法、花のいの捕集方法、潜葉虫の取り扱い方、博物館標本の活用方法など、生態学で重要な研究手法が詳しくされています。

・酒井章子 (2015) 送粉生態学調査法 (生態学フィールド調査法シリーズ2). 共立出版, 東京.

​植物の繁殖形質、送粉者 (花粉を運ぶ生物(本書では主に昆虫)) の特定、送粉成功など、送粉生態学調査法について研究例とともに詳しく紹介されています。

​・佐々木雄大, 小山明日香, 小柳知代, 古川拓哉, 内田圭 (2015) 植物群集の構造と多様性の解析 (生態学フィールド調査法シリーズ3). 共立出版, 東京.

植物群集のフィールド調査手法から解析手法まで、非常に詳しく解説されています。解析に使用できる統計解ソフトの名称や特徴まで詳しく紹介されています。

・那須義次, 広渡俊哉, 吉安裕 編著 (2016) 鱗翅類学入門 飼育・解剖・DNA研究のテクニック. 東海大学出版部, 神奈川.

本書ではチョウやガ類などの鱗翅目昆虫に限られますが、採集や飼育、解剖に関する手法が詳しく紹介されてます。

・内海俊介, 中村誠宏 (2017) 動物-植物相互作用調査法 (生態学フィールド調査法シリーズ8). 共立出版, 東京.

 

動物と植物の相互作用の調査方法、群集や多様性の解析方法、実験デザインなどが実際の研究例とともに紹介されています。定量的なデータを得るための昆虫採集手法が紹介されているのも、研究を始められる方にとってはありがたいですね。

○標本作成手法

・大阪市立自然史博物館編 (2007) 標本の作り方-自然を記録に残そう. 東海大学出版部, 神奈川.

動物、植物、菌類から化石や岩石、鉱物に至るまで、自然史標本の作製から保管までの方法について、豊富な写真やイラストとともに分かりやすく紹介されています。

〇野生生物の遺伝解析手法

・種生物学会編 (2001) 森の分子生態学. 種生物学会, 東京.

こちらも古い本ですが、従来の集団遺伝学的手法 (どんなデータがどのような方法で得られるか) について、手ごとに詳細に記述されています。最近しばしば用いられるMIG-seqやRAD-seqも従来の集団遺伝学的手法がベとなっていますので、知っておいて損はないかもしれません。
 

・Frankham R, Ballou J D,  Briscoe D A (2007) 保全遺伝学入門. 文一総合出版, 東京.

集団遺伝学的側面から生物多様性保全を考える「保全遺伝学」についての素晴らしい教科書です。保全におい考えるべき遺伝学的な問題点 (遺伝的多様性の減少や遺伝子汚染など) について、実際の研究例とともに詳し介されています。集団遺伝学でしばしば使用される専門用語については、巻末に用語集もついていますので、専門用語の定義を知るのにも役立ちます (現在はオンデマンド版で入手可能なようです)。

 

・津村義彦, 陶山佳久 (2012) 森の分子生態学2. 種生物学会, 東京.

上記の本をさらに発展させた内容となっています。集団遺伝学についての各手法、マイクロサテライトによるジェノタイング法、遺伝構造データ解析など、集団遺伝学を研究する際には知っておくべき内容が満載です

・井鷺裕司, 陶山佳久 (2013) 生態学者が書いたDNAの本. 文一総合出版, 東京.

DNAについてメンデル遺伝からゲノムまで、DNAに関する基礎が詳細に書かれています。またDNAの変異を検出る方法や解析手法についての概論が書かれていますので、これから集団遺伝学や系統学の研究を始められるはお勧めです。

・種生物学会編 (2013) 系統地理学 DNAで解き明かす生きものの自然史. 文一総合出版, 東京.

系統地理学について日本語で紹介された数少ない書籍の1つです。実際の研究例のほか、ABCモデルやIMモデルなど、系統地理学でしばしば用いられる解析手法について詳しく紹介されています。

・東樹宏和 (2016) DNA情報で生態系を読み解く 環境DNA・大規模群集調査・生態ネットワーク. 共立出版, 東京.

遺伝解析について、特に次世代シーケンサーを用いた群集解析に焦点をあてられています。実践的な実験手法から解析手法が詳しく書かれていますので、一度読むと初心者の方でも手法のイメージがつきやすくなります。

〇統計解析手法

・久保拓弥 (2012) データ解析のための統計モデリング入門 一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC. 岩波書店. 東京.

こちらも生態学におけるデータの統計解析手法を紹介しています。特に一般化線形モデルについてはRのスクリプトとともに解析手法が書かれていますので、一般化線形モデルの解析手法を学ぶにはお勧めの一冊です。

・嶋田正和, 阿部真人 (2017) Rで学ぶ統計学入門. 東京科学同人, 東京.

生態学でしばしば用いられる統計解析手法について、統計分析フリーソフト「R」をベースに紹介されています。実際の解析事例がRのスクリプトとともに書かれていますので、実際に自分で手を動かしながら学ぶことができます。

○論文の書き方

・濱尾章二 (2010) フィールドの観察から論文を書く方法 観察事例の報告から研究報告まで. 文一総合出版, 東京.

​日本語の観察事例や研究論文の書き方について、基礎的かつ重要なところから詳しく紹介がされています。導入、材料及び方法、結果、考察などそれぞれの章の書き方について、良い例と悪い例を挙げながら解説されています。さらには文献の探し方や投稿の仕方、査読対応の方法など、痒い所に手が届く素晴らしい本です。特に論文を初めて書かれる学生の皆様にはオススメです。

〇その他

・高橋祐磨, 片山なつ (2017) 伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料をつくるためのレイアウトのルール. 技術評論社, 東京.

スライドや図の作成の際に気を付けるべきデザイン (レイアウト、フォント、配色その他いろいろ) の手法について、非常にわかりやすく書かれています。研究者はもちろんのこと、研究者以外の方にもおすすめの1冊です。

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