集団遺伝解析の際のオススメのソフトウェア
マイクロサテライトや一塩基多型 (SNP) データの解析に有用なソフトウェアを紹介します。まずは基本的なところからで、今後ゆっくりと増やしていきます。
・FSTAT (https://www2.unil.ch/popgen/softwares/fstat.htm)
遺伝的多様性 (サンプル数を補正して計算したアレリックリッチネスやGene diversity)、ハーディーワインベルグ平衡、連鎖不平衡、遺伝的分化などが可能。FSTAT形式で読み込む。R上で動かしたい場合はhierFSTATというパッケージがある。
・GenAlEx (https://biology-assets.anu.edu.au/GenAlEx/Welcome.html)
エクセルのマクロで動くソフトウェア。マイクロサテライト両方で使用できるが、エクセルの列数上限の半分を超える遺伝子座数は不可能。要約統計量 (対立遺伝子数、ヘテロ接合度)のほか、ハーディーワインベルグ平衡からの逸脱の有無、遺伝距離、主座標分析、距離による隔離のマンテルテストなども可能。Genpop形式から読み込むことができるし、多くのソフトウェアの形式に変換できるのも魅力的。
・Genepop (https://genepop.curtin.edu.au/)
ウェブ上で動く解析ソフト。遺伝的多様性、ハーディーワインベルグ平衡、連鎖不平衡、遺伝的分化、一部のファイル形式の変化などが可能だが、遺伝子座数が多いとうまくいかない。Genepop形式で読み込む。
・PGDspider (http://www.cmpg.unibe.ch/software/PGDSpider/)
それぞれのソフトのインプットファイルに変換してくれるソフト。とても便利だが、インプットファイルの形式やを理解していないとたまにエラーでうまく変換してくれなかったりするので注意。ファイル変換条件を保存しておくと便利。
・STRUCTURE (https://web.stanford.edu/group/pritchardlab/structure.html)
集団遺伝構造の推定のための最もポピュラーなソフトウェアの一つ。グラフィカルインターフェイスなので操作が簡単だが、ベイズ推定でBurninやMCMCの数を増やしたり、遺伝子座数やサンプル数が多いと時間がかかる。STRUCTURE形式で読み込む。