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執筆者の写真Naoyuki Nakahama

Web Journalに寄稿した研究 (研究紹介)

 以前スズサイコの訪花昆虫についてブログを書いた際には、スズサイコの送粉者は普通種ばかりで、スズサイコの減少はほかに要因があるだろう、と締めくくりました。続編を書くつもりでしたが、よくよく考えたらWeb Journalに寄稿しておりました...。

 せっかくなので、今日はこれまで寄稿したWeb Journalのリンクと簡単な紹介をすることにいたしました。詳しくはそれぞれの記事で紹介しておりますので、是非ご覧ください。


「絶滅が危惧される半自然草原性植物、その保全のために適切な管理方法とは?」

Academist Journal (2016年6月6日掲載)

 先ほどのスズサイコの減少要因として、草刈りのタイミングに注目しました。スズサイコの生育する草原は、「基本的に草刈りや火入れがないと森林になってしまうため、スズサイコの生育には草刈りや火入れが必要です。しかし、いざスズサイコの保全をするためにはどのタイミングで草刈りをすべきか、よくわかっておりませんでした。

 結論から言うと、夏から秋(スズサイコの開花結実期)に全面的な草刈りをすると、繁殖成功・遺伝的多様性ともに低下することがわかりました。逆に言うと、スズサイコの繫殖成功と遺伝的多様性を維持するにはこの時期の全面的な草刈りを避ける管理が必要ということになります。

 こちらは私の修士課程での根幹をなす研究で、とても思い入れのある研究です。



「瀬戸内に浮かぶ“鬼ヶ島”で50年以上見つかっていなかった幻の昆虫を探せ!」

Academist Journal (2016年1月18日掲載)

 こちらは学部時代におこなっていた調査エッセイです。大学生の頃はガロアムシ目昆虫の多様性に魅了され、日本各地で調査をしておりました。そこでひとつの面白い成果を得ることができたので、そちらを詳しく紹介しております。こちらもきちんとアウトプットを出さないと。。。今後の課題の一つです。

(写真のリンクが切れているようです。)



「絶滅の危機にある希少種がなぜか大量発生! – 生態系に改変をもたらす動物とは」

Academist Journal (2015年10月16日掲載)

 こちらは博士後期課程のサブテーマの一つです。京都府を含め近畿地方でほとんど記録のなかった昆虫「バイケイソウハバチ」が京都大学芦生研究林で大発生していました。この研究は、バイケイソウハバチの大発生の要因と、その大発生が有毒植物バイケイソウにも多大な影響を及ぼしていたことを明らかにしました。

 なぜそんなことが起こったのか?その背後には、近年問題となっているニホンジカがいました。ニホンジカとバイケイソウとバイケイソウハバチの3つの不思議な関係、是非ご覧ください。 (こちらも写真のリンクが切れているようです。)



「草原のチョウ類の栄光と衰退は、人間の活動によるものだった?」

BuNa Bun-ichi Nature Web Magazine (2018年8月6日)

 こちらは博士後期課程の骨格となる研究です。草原性チョウ類コヒョウモンモドキを対象に、遺伝解析を通して過去1万年間と30年間間の歴史を明らかにしました。その結果、コヒョウモンモドキは人間活動の変化とともに、栄枯盛衰ともいえる歴史をたどっていたことがわかりました。

 またこの研究から、生物標本の遺伝資源としてのポテンシャルを思い知ることができました。博士号を取得してからの研究の方向性を決める上で欠かすことのできない、とても思い出深い研究です。


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