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執筆者の写真Naoyuki Nakahama

自然公園での野外調査

野外調査ではその土地に立ち入り、場合によっては(一時的であれ)採集行為が伴います。当然ながらすべての土地で自由に野外調査をしてよいわけではなく、土地の所有者に許可を取る必要があります。またこのほか、自然公園では様々な規制がされている場合があります。今回は自然公園での規制と野外調査について簡単に解説いたします。


国内には国立公園、国定公園、都道府県立自然公園が存在します。陸域では普通地域、特別地域(第一種~第三種まで)、特別保護地域に分けられます。普通地域では法的な採集規制はありませんが、特別地域では一部の植物 (指定植物)の採集が、特別保護地域では落枝落葉含めすべての生物の採取が原則禁止されています。ほかにも様々な制限事項がありますが、野外調査で重要になるのはこうした採集行為ですね。


まず、こうした保護区域はどこで地図を確認できるでしょうか。

国立公園の場合、環境省が管理していまして、こちらのウェブサイトで国内のすべての国立公園が紹介されています。

各公園では区域図が示されていますので、こちらでどこが特別保護地域や特別地域であるかは簡単に確認できます。


国定公園や都道府県立自然公園の場合、公園が位置する都道府県が管理しています。区域図は各都道府県のウェブサイトで確認できる場合がありますので、そちらをご参照ください。


次に、上記の指定植物についてです。国立公園・国定公園での指定植物の一覧は、こちらのウェブサイトで確認できます。


ここで掲載されている植物は、特別地域内は(葉っぱ1枚でも)採集が禁止されますので、ご注意ください。

また、特別保護地域では指定植物かどうかにかかわらず一律採集禁止です。


では、どういった場合に許可が下りるのでしょうか。公的な研究機関による研究が目的であれば、許可が得られる可能性が大きいです。

許可申請の仕方は、国立公園であればこちらに記載されています。


また、都道府県が管理されている国定公園と都道府県立自然公園の場合、その自然公園を管轄する部署に相談するとよいかと思います。


研究内容によってはこうした自然公園内の野外調査は避けられません。トラブルを避けるためにも、きちんと仕組みを理解し、必要であれば許可申請をしてくださいね。


※たとえ許可申請が取れたとしても、行動によっては地元の方々や観光客の方々とトラブルが起こってしまうリスクがあります。その際は現地の方々とよく相談し、指示に従うとよいでしょう。



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